ケータイ小説 野いちご

破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

お弁当の蓋を開けた時に、ザックやノアが喜んでくれるよう彩り良く華やかにしたい。

そんなお弁当の定番といえば卵焼きとからあげだ。

アーシェリアスは焼いた卵焼きをフライパンから取り出すと、火傷しないように気をつけてカットする。

それをさらに斜めに切り、片方をひっくり返してくっつけるとハート型の卵焼きの完成だ。

購入しておいたハムやチーズも持参している型抜きを使って花の形にくり抜いていく。

次に、醤油、みりん、おろしにんにくを混ぜて作ったタレをビニールに入れ、そこに揉んで漬け込んでおいた鶏モモ肉を片栗粉にまぶすと、卵焼きを焼く前に火をつけていた鍋に注いでおいた中温に熱した油の中に泳がせた。

ジュワッと泡が上がり、油が躍る。

しばらくするとお肉が浮いてきたところで一度全て取り出し、少しだけ冷まし置いてから二度揚げをする。

これは余分な水分を飛ばし表面をサクサクにする為で、前世、小料理屋を営む母に伝授してもらった揚げ方だ。


(うん、美味しそうな色になってきた)


きつね色になったのを確認すると、一気に強火にして高温で仕上げる。

やがて油がチリチリという音に変化してきたところでアーシェリアスは菜箸でひとつ唐揚げを持ち上げた。

すると、箸を通じてジジジと細かな振動が手に伝わってくる。

これが中まで火が通ったことを知らせるサインだというのも、莉亜の母から教わったものだ。


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