「わ、今日は甘酢のミートボールだ!大好きー。……んー、おいしい!」

「……ふっ」

広瀬くんが吹き出す声が聞こえた。

「広瀬くんっ、なんで笑うのー」

「いや、ごめん。日下部さんの食べるときの顔、やっぱりいいなと思って」

「え、あ、うう……うーん……そうかな」

「見ていてもいい?」

「や、あ、あんまり見られたら恥ずかしいからー!広瀬くんも自分のお弁当食べなきゃだし」

広瀬くんのお弁当箱を指差しながら言うと、彼は少し残念そうに食事を開始する。

卵焼きを口にパクリ。

「………うん、よかった。上手くできた……かも」

「上手くできてるよー。おいしいもん」

「うん。ありがとう、日下部さん」

空の下。

私たちはお弁当を頬張る。

とても美味しくて、ちょっぴり甘い味がした。

いっしょにご飯を食べると、なんだか距離が一気に近くなった気がする。

勘違いかもしれないけど、広瀬くんのいろんな面を知ることができたようで

それを嬉しく思う私がいる。

この気持ちはなんなんだろう。

こうして

少し不思議な広瀬くんとの友情が始まったのだ。

……多分!