「あなたのそういうのんきなところが好きだけれど、早くその大丈夫の根拠を聞いてこの子の涙を止めてあげたいわ、ハリー」

「あなたは……」

「ああ、紹介が遅れたわね」

 ぴたりと寄り添いながら、ベアトリスが言った。


「この人はハロルド。雑貨の卸しをやっている商人で、私の夫となる人よ」

「ハ……ロルド?」

 聞いたことのある名前だ。どこで聞いたのかローズが思い出している間、ハロルドはレオンによく似た笑顔でローズを見つめていた。