来た、、。

あの日、帰り際に見た陽だまりみたいな笑顔をかざして。


「、、、あ、こんにちは。」


驚いて挨拶が遅れてしまった。

「隣、いいかな?」

「は、はい。どうぞ。」

ブラウンのストレートな髪は風が吹くとサラサラと流れ、僕の鼻にシャンプーの香りがすり抜けた。

クリッとした大きな瞳、白い肌、華奢なライン。

僕の右側だけがやけに熱く、ドクドクと激しく高ぶった。

今日は、スカートじゃないのか。

スラリと伸びた脚に纏われてるのはデニム。

鎖骨が見える白のトップスが色っぽさを強調してる。

「ねぇ、この子なんて名前?」

僕との足元の間にちょこんと座るモカを見た。

「あ、モカです。」

「モカ、ちゃん?くん?」

「女の子です。」

「そっか。モカちゃん、よろしくね」

モカの背中を優しくひと撫ですると、今度は僕に視線を移した。

「あなたの名前は?」

「あ、鈴成 尊です。」

「私は桃田 沙幸です。よろしくね」

沙幸さん。

見た目と同じ、名前もキレイだ。