ケータイ小説 野いちご

もう、我慢すんのやめた


そもそも、昨日の”アレ”がマズかった。


あの時の私は周りなんて見えてなかったし、きっと佐倉もそれどころじゃなかったはずで……。


今朝、昨日のあの時間に下校中だったらしい生徒たちから、複数の目撃情報が上がった。


『佐倉と松永が抱き合ってた』とか。

『佐倉が松永を泣かせてた』とか。

『きっとあれはカップルの痴話喧嘩』だとか。

『ブレザー貸してる佐倉くん男前だった』とか。


それを聞いた私は瞬時に青ざめて……、佐倉が来て全否定してくれるのを待ってたのに。


”39度”なんて、嘘だ。


中には『昨日のアレじゃ風邪も引くよ』なんて声まで上がって、”39度”の理由は自分でもそれしかないだろうなって思った。


「……分かりました」


もう、何を言ったって今は無駄だと悟って、ハルミチに静かに頷いた。


どうせ佐倉が学校に来たら、私と佐倉のアッサリしすぎてる関係に、みんなの誤解もちゃんと解けるはずだし。

昨日のこと謝りながら、お見舞いに行くのもありかもしれない。


どうせ、自分じゃ心配しようにも連絡先すら分からないんだから。

< 68/ 233 >