ケータイ小説 野いちご

もう、我慢すんのやめた


「泣くなよ……」


泣きじゃくる私を見ながらぶっきらぼうに呟かれる佐倉の言葉。


それと同時に、親指で私の目元をなぞる。


女子に免疫ないくせに、不意打ちでそういうことするの良くないと思う。


佐倉相手に、不覚にもドキドキしてる。
女子に免疫がないから、やることが全部ド直球なの、かな?


「帰れそ?」

「ん……、帰る」

「……特別に今日だけ送る」



「行くぞ」って、少し先を歩き出した佐倉に涙を拭って歩き出す。


弥一のことは、思い出すだけでつらいけど。
今はそれ以上に佐倉の優しさが身に沁みる。


やっと、友達になれたのに。

顔はぐしゃぐしゃで、きっと目は真っ赤。
オマケに雨に打たれて2人ともずぶ濡れ。


だけど、不思議と寒さは感じない。
佐倉の優しさが包んでくれてる、そんな感じ。



「まって、佐倉……ブレザー返すよ」

「いらね。家着くまでかけとけば、風邪ひかれたら困るし」

「……うわ、今日の佐倉、優しすぎて怖いね」

「は?いつも優しいだろ、可愛くねぇな」

「あー!!!今、言っちゃいけないこと言ったね?」



小さく呟いた「ありがとう」が、
佐倉にちゃんと届いてたらいいな。

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