「だからね、希望。」
「うん?」
僕の顔を覗く可愛い希望。
「いつまでも僕の太陽でいてね。」
「あははっ何言ってるの〜?」
希望は気づいていないだけで、いつもみんなを照らしてくれている明るい太陽なんだよ。
僕にとっても、友達にとっても。
可愛くて優しくて一緒にいると楽しくて。
いざと言う時は駆けつけてくれる優しい女の子。
…そうか。
お父さんにとってのお母さんはこういう存在だったんだね。
「希望、好きだよ。」
「?!」
僕は希望の顔を見つめて優しく口づけした。
「僕の明るい太陽。」
「じゃあ叶夢くんは私の月だもん!」
…僕が?
「私が太陽なら叶夢くんは優しく見守ってくれてる月!!」
「ふふっ…
希望らしい考えだね。」
…決して馬鹿ではないのにね…
たまに無邪気な発想で僕を困らせる。
困った子だよ、本当に。
「私の方が叶夢くん好きだからね!」
「それはどうかな。」
僕だって、昔から希望のことが好きだったんだよ?
この気持ちの強さは譲れないなあ…
ードサッ…
「…えっ…」
…びっくりした…
まさか希望に押し倒されるなんて…
「叶夢くん。」
「うん?」
「好き。」
「知ってるよ。」
「叶夢くんは?」
「大好き。」
希望の柔らかい髪が僕の頬に当たる。
綺麗な顔がまっすぐ僕を見つめる。
だんだん暗くなっていった。
「…うん。ちゃんと伝わってるよ。」
希望は僕の顔から離れて目をそらす。
「…ダメだよ希望。」
そんな顔したら…ね?
「もっと欲しくなるから。」
僕は希望を抱き寄せて優しく首から肩のラインの真ん中にキスをした。
「…っ」
…反応してる…
「…叶夢くんの…エッチ…」
「僕は元々こういう性格だけど?」
「…ヘンタイ!!」
希望は僕の腕から逃れようとするけどしっかり抑える。
僕の上に希望が座っている。
「…もうっ…」
諦めたのか大人しく僕に凭れる希望。
「降参?」
「…まいりました…」
希望は僕の方を向いて自分からキスをする。

希望は僕の太陽。

叶夢くんは私の月。

太陽と月。

正反対だからこそ、釣り合っているのかもしれない。

番外編ー終わりー