それでも、さすがに学校の前で降ろされるのはやめてほしい。


「あの、ここでいいです。」


運転手さんに声をかけた。


「もう少しで学校でございますが、よろしいんですか?」


「はい。大丈夫です。」


笑顔で答えて、車を降りた。


深呼吸する。


「やっと息吸った感じ。」


まさか自分がこんなお嬢様みたいな生活するとは思わなかったな。


車を見送りながら、そう思った。


「行こう。」


学校まで歩きだす。


やっぱ歩きがいいや。


そう思いながら。