「余計なことを言ってるってわかってる。でも私は、水野君には笑いながらサッカーをしてほしいと思ってる。水野君の心からの笑顔が見たいんだ」

「マジで……余計なお世話だし。もう俺に関わるんじゃねーよ。夏目といると、感情が揺さぶられて……すげー疲れる」

「そ、それは、私の言ったことが図星だからなんじゃないの……? 水野君だって、本当はわかってるんだよね。このままじゃダメだって」

「俺……帰るわ。これ以上夏目と話したくない」

「に、逃げるの? 水野君のバカ! 弱虫! 意気地なし! そうやっていつまでも逃げ続けるの?」

「…………」

遠くなっていく水野君の背中に私は叫んだ。もうどう思われたっていい。嫌われてもいい。そんな気分だった。

だけど水野君が答えてくれることはなく、私の前から姿を消した。