「……結構大胆なほうが好きなんだね」
「大胆?」


どうしてここで大胆というワードが出てくるのか。
私にはわからない。



「まあ、いいや」

私が菅原の言葉に疑問を抱いていると、彼は話を強制終了させた。


……何がしたかったの?

さっきの先輩同様、菅原の言いたいことがわからない。


「……あっ」

だから黙って歩き出そうとしたら、突然菅原が声をあげる。


「どうしたの?」
「春坂さん、ちょっと目閉じて」
「……?」


どうしてかわからなかったけれど、言われたとおり目を閉じる。

視界は真っ暗になり、菅原の表情はわからない。



「……そのまま両手を後ろで組んで?」
「後ろ……」

無理とも言えず、両手を後ろで組んだ。


「あとは顔を少し上げてみて」

声音はいつも通り優しいもので、菅原のことだからきっと何かあるのだろうと思い、顔を少し上げた。