――え…?


女のなまめかしい声が聞こえてきた。

そうだ、窓が開いてたんだった。


ちょ、ちょっとどうしよう。

とりあえず、相手に気づかれたくない。

早くこの場を去らないと。



あわててサッシに手をのばしたら、男の方と目が合った。



きゃー、どうしよう!



男は女の上に馬乗りになった状態で私の方を見る。



ひーっ!!

お願い、こっちを見ないで!!



そして――、



確かに笑った。



にやって。



な、何、今の???



普通動じるんじゃないの。

あんなことしてるの他人に見られたらさ。



もうわけが分からないよ。

私はサッシとカーテンを閉めてあわてて身を隠した。