「付き合ってくれてありがとう。
男の子の好みとか分からないから
聞けてよかった。」

「喜ぶといいね。弟。」

満面の笑み。何も言わずうなづいた。

「私この駅なの。またね。」

「あ、傘……。」

遅かった。彼女は電車を降りていった。

その日雨は止むことはなかった。