お風呂に浸かりながら、ツバサは夕食の支度中に言われた和希の言葉を思い出した。

「好きなんでしょ、レオさんのこと」

湯船に沈みながら、考える。
確かに好きだけど、僕が好きなのは神崎さんの歌声であって、別に神崎さんが好きという訳ではない。……の、筈だ。
16年間生きてきて、僕は誰かを好きになったことなど無かった。
だから、恋とか恋愛なんてわからない。
でも恋なんてしてないし、しない。
そう、決めてるんだ。


だって、僕はーー