――ピーンポーン……。


自分で押したインターフォンにドキドキと鼓動が高鳴る。

最終チェックで身なりを確認していると、玄関がガチャリと開く音がした。


「……? あら、いらっしゃーい!」


玄関から姿を現したのは一人の女の人。

赤いギンガムチェックのエプロンをした、笑顔が可愛らしい人だった。

『奥さんも可愛いし』

そう言ったお父さんを思い出す。


「あっ、初めまして!」


玄関から駆けてくるおばさんを前に、門の前から深く頭を下げた。


「桃香ちゃんよね? 初めまして」

「あ、はい! 加山桃香です!」

「さっ、入って? 遠くから来て疲れたでしょ?」


門を開けると、おばさんは私を中へと招き入れる。


「あ、はい、お邪魔します」


ガチガチ。
緊張したまま、私はおばさんのあとについて行った。