「辻井ひまりです。…趣味は読書です。特に好きなのはオレンジレターというお話です。よかったら読んでみてください。よろしくお願いします。」

言い終わるとパッと椅子に座ってうつむいた。緊張することは嫌いだ。
そして…毎回聞かれるのが、

「辻井さんってもしかして、辻井さくらさんの妹さんなの?」
ああ、やっぱり聞かれた。
「はい。…」

「まあ、うらやましい。きっと辻井さんもお姉さんみたいに何でもできるのね。」

できませんけど…なんて言えず、結局先生に期待を抱かせてしまった。
先生は…知らないから。