実は合鍵を両親以外に渡すのは初めてだった。陸人と付き合っていた時はまだ私は実家暮らしだったから。
「戻ってきたらすぐに会いに来てほしい。私がいなかったらその時はこの鍵を使って家の中で待ってて」
彼の大きな手に鍵を渡すと、織田くんは大切そうに握りしめた。
「わかったよ。戻ってきたら絶対すぐに会いに来るから」
「うん、約束ね」
照れ臭さを抱きながら薬指を差し出すと、織田くんは微笑み指切りをしてくれた。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
言い合うと織田くんはキスをひとつ落とす。
突然のキスに目を閉じることもできなかった私は、唖然とするばかり。そんな私を見て彼は嬉しそうに笑う。
「またな」
「う、うん……」
最後にクシャッと私の髪を撫でて、彼は颯爽と出ていった。
バタンとドアが閉まり、シンとする中、口元を手で覆う。
不意打ちのキスはズルイ。しかもあんなさり気なく……!
思い出すと恥ずかしさでいっぱいになると同時に、幸せな気持ちで満たされていく。
また次に会える日まで、頑張れる。だって彼は戻ってきたら一番に会いに来てくれるから。
「よし、私も頑張ろう!」
晴れやかな気持ちで私も準備を済ませ、会社へと向かった。
「戻ってきたらすぐに会いに来てほしい。私がいなかったらその時はこの鍵を使って家の中で待ってて」
彼の大きな手に鍵を渡すと、織田くんは大切そうに握りしめた。
「わかったよ。戻ってきたら絶対すぐに会いに来るから」
「うん、約束ね」
照れ臭さを抱きながら薬指を差し出すと、織田くんは微笑み指切りをしてくれた。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
言い合うと織田くんはキスをひとつ落とす。
突然のキスに目を閉じることもできなかった私は、唖然とするばかり。そんな私を見て彼は嬉しそうに笑う。
「またな」
「う、うん……」
最後にクシャッと私の髪を撫でて、彼は颯爽と出ていった。
バタンとドアが閉まり、シンとする中、口元を手で覆う。
不意打ちのキスはズルイ。しかもあんなさり気なく……!
思い出すと恥ずかしさでいっぱいになると同時に、幸せな気持ちで満たされていく。
また次に会える日まで、頑張れる。だって彼は戻ってきたら一番に会いに来てくれるから。
「よし、私も頑張ろう!」
晴れやかな気持ちで私も準備を済ませ、会社へと向かった。