「…ちょっと、それで驚かせてるつもり?」
バタバタと聞こえる足音からしてバレバレ。
こんなことする人なんて1人しかいないもの。
「そうだけどー。っていうか、和佳菜が返事しないから悪いんだよー。聞こえてなかったの?」
そう、それが流梨花(るりか)。
この高校に入ってから1番仲良くなった人。
大きな目なくせに、顔が小さいから随分と羨ましがられる顔の持ち主。
簡単に言えば、とても美人だ。
「かすかに和佳菜って、聞いた気もするけど」
でも、いっか。
って思った気もする。
彼女への扱いは基本的に雑でいいと思ってるもの。
それで何か不満を言われたこともない。
そういう風にしていい人間と悪い人間がいるけど、
彼女は圧倒的に後者だった。
何故かな?
雰囲気?
いるじゃない、そういう人。
いくら邪険にしても、食らいついてくるような子。
そんな感じなのよ、この子。