「どうして話してくれなかったの」
2人で仲良く帰り道を歩いた。
「だって海斗、絶対手を出しそうなんだもん」
「そんなに喧嘩っ早い風に見える?」
「見えなくても、よくやってきたから」
それを間近で見てきたから。
「でも、残念」
「なんで?」
「俺、あいつに一発かまそうとしてたのに、あいついきなり土下座して逃げるんだもん」
「ほらまた、暴力で解決しようとする」
海斗はあたしのことになると、本当に周りが見えなくなるよね。
「でも、あたしのためにしてくれようと頑張ってくれてありがとう」
「……お前、そんなんだからモテるんだよ」
「それ、言ってる意味わかんないから」