「…わ…みわ…」


「ん…」


「美和!美和!」


「え!?」


朝、私は香穂の声で目が覚めた。


「大変だよ!坂木君がもういなくなっちゃった」


香穂は焦った表情でそう言う。


私も焦って音楽室を見渡すが、坂木君の姿はどこにもなかった。


「もう行ったんだね…」


きっと坂木君は私達が起きる前に出て行ったのだろう。今はどこか別場所に隠れているのかな。


「坂木君、襲われてなんかないよね…?人殺してないよね?」


香穂は変なことを言い出す。


「大丈夫!坂木君はきっと生きてる!人なんか殺すわけないじゃん?それに昨日言ってたでしょ?最後まで精一杯生きるって」


私は香穂を落ち着かせる。


「そうだよね、大丈夫だよね!」


「そうだよ!坂木君はみんなを助けてくれる。だからなにも心配することない」


そして、私たちも今日でこの音楽室を出て行動することを決意した。