あんなに高鳴っていた心臓が、一気に冷めた。
急転直下。
出かけようとしたら、雨降ってて、そのあと上がって、やったあって思って家から出た瞬間雨に降られる、そんな感じ。
例えが長すぎるけど、本当にそうなんだ。
ああ、だめだ。
イライラが募るとどうやら悲しくなるらしい。
雨雲のようなものがどんどん積もっていって私を、黒く染めてしまいそう。
こんなこと、はじめてなんだよ。
前好きだった人はこんなにならなかった。
細野だけが私の頬を赤らめさせて。
細野だけが私を悲しくさせるんだ。
いやな言葉が、頭をよぎる。
チョコ、ダメだったのかな。
私、変なこと言ったかな。
やっぱり、気がのらないよね。
貰い物をもらうなんて。
傷つけたのかな。
幻滅した?
嫌いになった?
でも、さっきはそんな風に見えなかったよ。
わかんないよ、細野。
私は君が全然わかんない。
さっきまで楽しそうに笑ってたのに。
私、なにした?
私を見て暗い顔しないで。
細野、細野。
ごめんね、謝るから。
気を悪くさせたのならいっぱい謝るから。
だから、見なかったことにしないで。