zは掛かるみたいだしな……」
「今のギルド資金が300万z、僕の所持金が150万z……」
「そして俺の所持金が200万z、バンクにある金が500万zだ。」
「なんでそんなに溜まっているんだか……」
 ラッシュ(マスター)は呆れた様子でため息をついた。「まぁ、レベリングの頻度かな?」
「お前は、レベリングのしすぎだ。レベルも僕より高いじゃないか。」
「昨日やっと60まで上がったよ。」
「どこにそんな効率の良い狩場があるのか教えてほしいね。」
「技術はないから安心してくれ」
そんな他愛の無い話をしているとギルドメンバーが部屋へ来た。
「ラッシュさん、グレンさん!次のアップデートで追加されるクエストの情報が出ましたよ!」
「まぁまぁ、とりあえず座れよ。」
「あ、はい!」
 クエスト情報を知ってこの部屋まで走ってきたギルドメンバーはアルンさんだ。
「で?情報って?」
「俺も聞きたことがないモンスターなんですけど、【アグナム】というモンスターの討伐らしいです。」
「なんだ、そいつ、ほんとに聞いたことないな。」
とラッシュが言ったところで、俺は思い出した。
「俺知ってるぞ。そいつ、【マグナム】の属性強化だ。」
「マグナムって、あの?」
「あぁ、そのとおりだ。」
 【マグナム】は、大規模ギルドのクラスを代表する【閃光の狩猟団】の主力メンバーですら苦戦したモンスターだ。
そんなモンスターが属性強化されたのだから、相当のPS(プレイヤースキル)とAS(アタックスキル)が必要とされる。
「属性は確か火属性だ。俺の装備と武器なら相性は良いのだが、皆が……」
俺の装備は基本属性耐性は火属性に振ってあり、武器属性は、特注の特殊水属性だ。
「僕も一応火属性耐性装備は持っているがそこまでスロットが埋まっていない。」
スロットとは、装備スキルの発動のためにスキルポイントを埋め込むためのものだ。
「俺は一応全部埋まっている。アルンさんはどうだ?」
「俺は魔導槍使いなんで、魔法で対応できます。」
「そうか、それなら心配はいらないな。んじゃ、ラッシュ、明日コーラス岬の灯台の所で集合だ。お前のスロットを埋めよう。」
「うん、わかった。」
「じゃあ俺は落ちるわ。」
「おやすみ、グレン。」
「おやすみなさい。グレンさん。」
「おやすみ、皆」
そしておれはログアウトボタンを押した。