「おい、もも!!」


この瞬間、意識が一気に飛んだ。

このまま、目を覚ました時に全てを忘れられていたら……。


それから、愁桃に家まで運んでもらい、丸1日目を覚まさずに眠っていた。

風邪のせいと、精神的にダメージが大きかったせいで、一気に疲れが出てしまい、こんなに寝たのはいつぶりだろうと思うくらい。


お母さんから話を聞くと、愁桃はずっと寝ているわたしのそばにいてくれたらしく、とても心配をしていたそう。


「昔から変わらないわね。もものことになると必死になるところ。愁桃くんらしくてお母さんは好きよ?」と、言うほど。


こうやって、自分のことを大切にしてくれる人を、自分も同じように大切にすることができればいいのに……。