ーー須藤くんとはあの日からも特に変わったことはなく、いつも通りの距離感で恋人のフリを演じていた。
だから今だって、いつもと接し方は変わらない。
「小野田ってほんと、可愛げねぇよな。」
「………はぁ!?
上原にだけは言われたくない!」
裏の上原も私をイラつかせる天才だよ、本当に。
そんな怒る私から突然視線を外し、須藤くんを見た上原。
「そういえば、慎也今日この後時間あるか?
妹が超会いたがって、そろそろうるせぇんだけど。」
こ、こいつ………!
完璧話変えやがったよ………って、ん?
妹が須藤くんに会いたがってる……?
それって、やっぱり須藤くんは上原の妹を知ってるってこと!?
「今日?
別に行けるよ。」
須藤くんはさらっと肯定する。
「ねぇ、須藤くん。
上原の妹ってどんな感じ?
やっぱり可愛い?」
だから私は上原に妹がいるのをようやく信じ、須藤くんに聞いてみた。
「うん、可愛いよ。
海斗とは結構歳離れてて無邪気だし…………今、何歳だっけ?」
「次で6だな。」
「6歳!?」
待って絶対可愛い気しかしないんだけど。
普通に見てみたい。
そんな私に気づいたのか、上原が私を見てニヤッと笑う。
「何?小野田、俺の妹見てぇの?」
そんなの……
「見たい!
上原の家系だったら絶対可愛いよね!
妹いるのっていいなぁ。」
見たいに決まってる。
それに一人っ子の私には兄弟姉妹が羨ましいのだ。