彼の思想にもっと触れてみたくなった私は、その日の内にインターネットで彼について調べてみた。

すると偶然にも、彼が所属する大学では※高大連携プログラムを導入しており、私はそれに迷うことなく参加した。

(※高大連携プログラムとは、大学の講義を高校生が模擬的に受講できると言うもので、高校生にとっては大学の講義が、どの様なものであるかを身を持って知れるプログラムの事である。)

大学生に紛れて座った後方の席で、初めて私は大学の講義を受けた。

その日行われた講義を、私は決して忘れないだろう。

あの日は彼の専攻である法学の講義で、部落差別について学生が彼に質問したのだ。