私は椹木夫妻から聞かされた私の両親について11才ながら理解するのが必死でした。


・私の父親の名前は姫宮潤也
・私の母親の名前は姫宮秋穂

・椹木と姫宮は学生時代の親友
・結婚してからも繋がりがあった

・事故当時、会社の都合上海外で暮らしていたため亡くなったことを知ったのは随分後で娘が生き残っていることを知ったのも随分後

・日本で暮らす事になったから大切な友人の忘れ形見である私を引き取りたい


両親との関係性は話よりも写真を見せて頂いて確信しました。

学生時代の卒業写真と結婚式の写真と私が産まれた時の集合写真。


微かにある両親の記憶

それを見て私は疑うのをやめました。


その日を境に私は椹木夫妻との面会を自分の意思でするようになり、たくさん話をした上で、養女になる件は時間がかかりましたが12才の時には受け入れていました。


ただ、心配だったのが椹木家には息子さんがいるという事です。

私よりも年上の男の子。

13才で今年中学生らしいです。


椹木夫妻は私を受け入れているが息子さんはどうなのでしょうか。

私の話を聞いているかもしれませんが急に義理の妹が出来るという事に納得してるのかどうかです。


椹木夫妻は『心配しなくてもいい』と仰っていましたが、私が家族になる事に対して不満を抱かれていても不思議ではありません。


例え祥太郎さんや春歌さんが娘として受け入れて下さっていても息子さんにとっては部外者であり他人です。


私が初めて恭介と出会ったのは12才の夏休みで、椹木家へお試し外泊みたいたものでした。