私は横目で練習する部員達の顔を見る。


確かに、卓球台で練習している人達は私が知らない人達ばかり。
きっと2年生か3年生なのだろう。


まだ顔も名前も知らない先輩達の練習風景に、私は漠然とかっこいいと思った。


早く私もあんな風に上手になりたい。
ラケットでボールを自在に操れるようになりたい。


「よしっ…!」


私は顔を上げる。


やると決めたからには全力でやらないと!
転部までして入ると決めた道。

同級生や先輩と上手くやっていけるかとか上手になれるかとか不安はたくさんあるけど、そんな泣きごと言ってられないよね…!



私は体育館の扉を開ける。


ここからが私の新しいスタート。
新しい部活生活の始まりだ。



でもそれは同時に、地獄の幕開けでもあったことは、この時の私は当然知る由もないーーー