それから先輩は何かある度に
「こっちゃん!」
と私を呼ぶようになった
「こっちゃーーん?」
いや、何も無くても呼ぶか
「こっちゃん聞こえてる?」
幻聴まで聞こえてきた
「おーい!こっちゃん!!」
ビクゥ
「あ、幻聴じゃなかった」
ほんとに先輩がいた
「幻聴とかひどいなあ!」
用がないなら帰ってほしい
「用はなんですか」
あー、なんで蘭那いないの
「そうそう、今日一緒に帰ろうと思って!」
一緒に帰ろうと思って?
「え?いつも帰ってるじゃないですか」
何を言ってるんだこの人は
「じゃなくて!2人で帰ろう?ってこと!」
2人?そんなの無理無理、蘭那がいるもん
「スゥちゃん今日委員会だからさ!」
なるほど
「わかりました、じゃあ後で」
私がそう言うと
「おぅ!」
と言って自分のクラスに帰っていった