「こっちきて美依」

「っ、」


そんな捨てられた子犬みたいな目をされたら許すしかないじゃん。



「やっぱ、美依がいちばん」

「明日には抱き枕乾くもん…」


「別にこれからも美依が抱き枕やってくれていいよ」

「遠慮しとく」


知紘の抱き枕なんてもうごめん。心臓が持つ気がしない。

明日になったら乾くかなぁ。


「んじゃ、美依おやすみ」


「ん、おやす……」


チュッとおでこに軽くキスされた。


「ちょっ……!」

「おやすみのチュー」


「なっ!」


ま、またされた……っ。なんでこういうこと簡単にしてくるかなぁ。


それから翌日の朝まで知紘はわたしを離さずに眠った。