その日は20時まで仕事をして帰る事になった。



「店長は仕事を覚えられそうですか。」



「多分大丈夫と思います。今日の聖夜は優しかったですから。」



そう言うと圭吾君が笑った。



「聖夜は新人が入って来ても、教育係をしたがらないんですよ。特に女子に対しては厳しいというか、好き嫌いが激しい男ですからね。店長は聖夜に気にいられてしまいましたね。」



圭吾君の言ってる意味が分からないんですけど。



聖夜はただの女好きにしか見えない。



どちらと言えば圭吾君の方がタイプだし、なんて思ってたら、頭を思い切り叩かれた。



「美莉、又妄想してただろ。」



圭吾君の事考えると、顔がにやついてしまう。



「美莉、帰るぞ。 」



「圭吾君、お先に失礼します。」



まだ挨拶してる途中なのに、私の手を強引に引っ張る聖夜。



圭吾君がヤレヤレと言う顔をした。



聖夜と帰るなんて思ってなかったけど、車の鍵貸してと言うから差し出した。



まさか、聖夜、運転免許持ってるの。



18才なら、車の免許を持っていてもおかしくはないか。


だけど、なんだか心配です。


かなりの高級車で、父さんから借りているのだ。


キズでもつけたなら、父さんが許さない。


母さんが、少しだけ擦っただけで、離婚騒ぎになったほど。



聖夜大丈夫かな。


聖夜が勝手に運転するんだから、何があっても私には関係ない。