本当の親子みたいだねと言わないでおこうと思った。



「あんた名前は?」



「私ですか。里中美莉です。」



「美莉ちゃんか可愛い名前だ。それに聖夜のタイプだな。」



「親父、うるさいよ。」



なぜか、顔が赤い聖夜。



「明日から真面目に教えるし、美莉も逃げるな。コンビニの店長やらなかったら、マンション出なきゃいけないんだろ。」



何で聖夜がそんな事、知ってるの。



「誰に聞いたの、その話。 」



「社長と圭吾さんが話してるの聞いた。」



「聞いたのはそれだけ。」


「後は、年齢が30才かな。」



博司さんが驚いていた。



そりゃ、驚くよね。


聖夜より、12才も年上なのだから。


なんだか、申し訳ない気持ちになった。


この際、笑ってごまかそうか、やっぱ、12才差は大きいと思う。



「30才には見えないな。化粧しても童顔だし、化粧落としたら、多分高校生に見えると思う。」



それが嫌なのに。



素っぴんで、中学生と間違えられたこともあるし。



聖夜がバイクでマンションまで送ってくれた。



車はコンビニの駐車場に置いたままだ。



「車で帰ると、明日コンビニに来ないと思ったからさ。」



そして、次の日の昼前、マンションまで聖夜がバイクで迎えに来た。


そうですか、逃げられないって事ですね。


もう、半分諦めてはいたけど…………


仕方ないから、着替えますか。