晃のリハの番になり、演奏を聴いた。
お金も貰ってるし…多少講師らしく…と思い、ピアノの方へ歩いて行き、少しアドバイスをした。


「晃、そちらの人は?」
その様子を見ていたマリカに声をかけられた。
「こちら、俺のピアノの講師の方。」
「桝谷絢香です。よろしくお願いします。」
と、絢香も微笑んで挨拶した。

「そうなんですね。原口マリカです。よろしく。」
と、マリカも微笑んだ。

「晃、まだ夜のパーティまで時間があるから、一緒にどこかいかない?」
マリカは晃に言った。
「ごめん、社長がセミナー行ってるから、俺も合流しなきゃいけなくて。」
と天使の微笑みを返した。

「そう、残念。じゃあ、また後でね。」

とマリカは手をヒラヒラ振ると戻っていった。


「先生、パーティは18時からだから、それまで好きにしてて。俺は社長の所にいってくるから。」

「わかりました。」
と答えたものの、さっきのような女性ばかりが来るような場に行きたくはなかった。
(ー でも、仕事だ。行くだけ行って、すぐお暇しよう。)
ため息をつくと、部屋に戻った。