「…ありがとう」

「いーえ。いちごのショートケーキ、美味しいよね!私も好きなんだ」

「え?なら私がそっちのマンゴーでいいけど…」

「いいのいいの!私が結愛ちゃんに好きな方を食べてほしいんだから!それにさ、マンゴームースも好きなんだよね!」

彼女も絶対、いちごのショートケーキが食べたいはずなのに…。

他人に譲るなんて、変な人。


キラキラと光るいちごの乗っかったケーキをじぃっと見てみる。

ケーキなんて食べるの、何年ぶりだろう。


「ほらほら、早く食べてみて!ここのケーキ、すっごく美味しいんだよ!」

彼女はフォークをぶんぶんと振って訴えてくる。

そんなに振り回したら、危ないってば。