元カレを事務所に案内すると、聖夜が椅子にドカンと座る。


「あんたは美里の元カレだろ。今さらなんなの。」



聖夜の顔が半端なく怖い。



「君こそ偉そうに何なんだよ。」


「俺は美莉の彼氏だけど。」


二人がにらみ合う。



誰か助けて!


本当にマジでヤバい。


「元カレさんは何をしに来たの。まさかよりを戻そうとかじゃないよね。美莉を裏切って、それはあり得ないと思うけど。」


こんな聖夜を見た事がない。



まさかそれはないと思う。



「俺はやっぱり美莉が好きなんだ。美莉を裏切ってしまった事は反省してる。もう一度考えてなおしてくれないかな。」


無理だよ。


今さら。


私が好きなのは聖夜。



もう後戻りはしたくない。


聖夜と未来を夢見て歩いて行きたと思ってる。


聖夜がモテる事は問題だけど、それは私が聖夜を信じればよいのだ。


「私は聖夜が好きだから、何をどう言われても無理だから。用件がその事なら、もう話すことはありません」



ちょっと何をする気。



元カレが土下座した。



止めて。



土下座されても、私の気持ちは変わらない。



今さら、どうして私に執着するのだろうか。