桜がそういったところで

「すみませんすみません!堪忍したって!

その声にハッとなりさき程の侍達を見ると、女の手を掴み、どこかへ連れて行こうとしていた。

野次馬はいるのに誰一人として助けようとはしない

「桜!あれ助けねぇと!!

「うん!じゃあハル侍お願いね?その隙に私女の人保護するから

「りょーかい!!

そして俺らは行動に出た。

「いやぁあ!!ごめんって言ってるでしょ!追いかけるのやめてよ!!

「うるせぇ!絶対許さねえぞ!テメェがおとなしく捕まれば追いかけるのやめてやる!!

私はダッシュでハルから逃げ、侍の後ろに隠れた。

「す、すみませんかっこいいお侍さん!あの男が追ってくるんです!助けてください!

「はぁ?!なんだおめえら!

「あとでお話ししますから!それよりあなたのその凄腕の剣で助けてください!

「ゴラそこの雑魚侍!黙ってその女を渡せ!!

ハルがそういうと侍まんまと挑発にのった。

「誰が雑魚だこの野郎!!

ハルに剣が向いた

私はニッと笑う。

「あははっ!あんたが雑魚だって言ってるの

「はっ??

私はそれだけ侍に言うと、女の人を掴んでた腕の手首を手刀で放し、女の人を連れて侍から離れる。

侍は突然のことに訳が分からなくなっいた。

と、そこをハルが

「女を手荒く扱うんじゃねぇ!!!

剣をくぐり抜け侍の腹に一発拳を入れた。

侍は一瞬うっと唸りよろけたが、体制を立て直し、ハルに向かって改めて剣を構えた。

「…っ!お前っいい度胸じゃねえか!殺してやる!

「そういうのは勝てる相手にだけいいなって

剣を振り下ろす侍の背後にすかさずまわり、首の裏に手刀を食らわせ気絶させた。

「ふはは!参ったか!

「イエーーイ!ハルかっこいー!

「イエーーイ!

ドヤってるハルに近づき、二人でハイタッチする。

「やべえ!なんか俺今すごくかっこいい!!

「うんうん!ハルかっこいいよ!よっ!日本一!

「うはははは!!

私もテンションが上がってハルを乗せ続けていると、助けた女の人が駆け寄ってきた。

「あのっ!助けていただいてありがとうございました!

ペコッと深くお辞儀をする女の人。

「礼には及びませんよ?お嬢さん。美しい方を助けるのは男として当然のことです

ハルが女の人の前で立て膝になり、手を取って手にキスをした。

おい。どこの紳士だよ。

「やっあのぅ…

女の人は真っ赤だ。

ハルを認めるみたいでこんなことは言いたくないけど、ハルはものすごくかっこいい。 めちゃくちゃ。学校で一番。

でも

まだ手を握っているハル。

「いい加減放してやれ

私はビダッと頭を叩く。

「いったぁ! もう!折角いい雰囲気だったのに!

「関係ない!お嬢さん困ってるでしょ!

耳を引っ張り喧嘩しだした私達を見て、女の人はクスクス笑った。

「ええんよええんよ。あないなことされたん初めてでなんや照れてもうたわ。お二人は仲がよろしおすねぇ。うち、あちらの角屋で芸妓をしております野菊と申しやす。よろしければ今度来てくだはりまへんか。 番頭には伝えておくさかい、お名前うこごうてもよろしおすか?

「もちろーん!俺はハルだよ!

「で、私が桜です!

「まぁ。綺麗な名前ですねぇ

コロコロと笑う野菊さんはとても美しかった。

「てかさ!芸妓ってあれだよね?!男の人と遊ぶ!うわー!ちょ!テンションあがる!

何を言うんだこの男は

「やめて。まじでやめて。身内のそういうの見たくない

私が全力で否定すると、察してくれた野菊さんが

「うふふ。桜さんがそういうのでしたらお食事だけもよろしいですよ

と言った。

「それでお願いします

いい女は気遣いもできるのかぁ

「っえー!そんなぁ〜

残念そうなハルは放っておく。

「では、私用があるのですみませんがこれで…

「はい!また会いましょう!

二人で手を振り、野菊さんを見送る。

「あの人すっごい綺麗だったね〜

「なー!ザ和風って感じな