(………話さない方が、良かったかな。)






その次の日


俺はあれからまだユカリちゃんと顔を合わせておらず、
自分の昨日の行動を振り返っていた。




…話した時の ユカリちゃんの顔が忘れられない。




あんな……傷ついた顔。







「……はぁ…。」






1人、小さくため息を吐きながら
授業を受ける。




昨日、ユカリちゃんを迎えにやってきた濱崎圭斗本人と初めて話したが


視線だけでも感じた威圧感に

一瞬、ゾッとした。





あんな横暴でやばい奴と
ユカリちゃんが結婚してるなんて…。







(初めて会った時に『濱崎』って名字を聞いた時に まさか、と思ったけど…)





本当にあいつと 結婚してるとは---。







何かの間違いなんじゃないかと疑ってしまう。






でもきっと

ユカリちゃんは俺から聞くまで
あの人がそんな人物だなんて知らなかったんだろうと思う。



初めて濱崎の過去を知った時、

信じられない とでも言いたそうな
顔をしていたから。








(………何であいつなんだよ。)








何で……
ユカリちゃんの旦那が、あいつなんだ。






俺はそう思いながら
少しだけ 拳に力を入れた。