え、何が起きたの?
拓海のあの冷たい目つきが忘れられない。という事だけしか、頭になかった。
そして、立ち上がる事ができなかった。

「莉子!!後は俺に任せろ!だから、最後まで走って!」拓海が私に叫んでる。
「うん!」嬉しくて涙が流れる。
「よく頑張りました。俺に任せて。」拓海は、私の頭をポンっとしてにこっと笑った。
そして、一気に走りだす。
「拓海。・・」私は、泣きながら拓海を見る。
「早い。あんなに抜かれたのに、ごぼう抜きだ。」拓海は、最後の一人をゴール直前で抜いて1位でゴールする事ができた。
「選抜リレー1位を勝ち取ったのは、2年2組!」アナウンスの声を聞いたときには、
嬉しくてもっと涙があふれた。