「別になんでもないわよ。ただ早く帰りたかっただけ。」私、嘘つくの下手だ。
「嘘ですね。それに、目が赤いですけど。何かあったのでは?」蒼は、私と小さい頃から一緒にいるだけの洞察力はあるみたい。
「もうどうせバレるならいいわよ!拓海を怒らせちゃったのよ!」私は、足を組んだ。
「拓海様とケンカを。あ、莉子様。足を組まれては、行儀が悪いですよ。」んー!
「ガサツって言いたいんでしょ!」もーやだ!
「なぜ、拓海様とケンカを?」ケンカって言うか。
「私が、怒らせちゃったのよ。千尋って言う男子が居るんだけど、千尋って呼び捨てで呼んだら、不機嫌になったのよ。」
「あー、なるほど。分かりましたよ。」蒼は、ニヤニヤしだした。
「何、ニヤニヤしてるのよ。」気持ち悪いなぁ。