「あぁ。女が男に敵うわけねぇからな。助けて当たり前。でさ、立てんの?」
なんて優しい人なんだろう。
こんな人に助けられたら女の子みんな目をハートにさせてるよ。
「立てますよ。そこまであたしか弱くないんで。」
そうそう。あたしはか弱い女の子なんかじゃないの。
だからこんなことで……………
………え?
立てない。。。
なんで?
そんなあたしの様子を見たイケメンさんはため息をひとつついてからあたしに背中を向けた。
「……え?」
何してんの?この人。
「乗れ。どーせたてねぇんだろ?」
いやいやいや!
「大丈夫ですから!今はちょーっと立てないだけでもうすぐしたら立てますんで!それにあたし重いんで!!」
「はぁ。聞き分けが悪りぃな。しゃーねぇか。」
そう言ってイケメンさんはあたしの方にくるりと向いてあたしを抱き上げた。
「ちょ!何するんですか!おろして!」
あたしがギャーギャー暴れているとイケメンさんは
「うるせぇな。」
さっきまでみたいな優しい口調ではなくキツイ言い方であたしにそう言った。
な、なにこれ。
殺気みたいなのでてたよ?
この人もしかしてヤバイ人?