どうやら風邪を引いたようだ。

しかも38度5分というけっこうな熱だ。


「あいたた…」


頭がガンガンする。

体はダルいし、お腹も痛い。

優花は何年かぶりの熱にはぁ〜と重いため息を吐いた。

病院に行きたくても今日は日曜で近くの内科は当然だけど休み。

救急の総合病院は此処から車で30分はかかるし、そこまで行く気力はない。


「まじか…」


こういう時に限って両親は夫婦水入らずの旅行に出掛けていて、頼りの友人は確か今日は彼氏と遊園地デートと言っていた。


「はぅぅ…」


優花はヨロヨロと立ち上がると、救急箱に手を伸ばし市販の風邪薬を手に取った。