「…で、あの、何かご用ですか?」

気を取り直して問いかければ。

「…ぁそうそう、これをお願いしたくて持ってきたんです」

そう言って渡された書類を受け取る。

「いつまでに仕上げればいいですか?」
「うーん、できれば昼一にお願いしたいんだけど」

「分かりました。出来たら持って行きますね」

「ありがとう、助かります」

そう言うと、そそくさと自分のデスクに戻った東さんは、他の仕事を始めた。

…東さんは、いつも沢山の仕事を抱えてる。少しでも役に立てるなら、どんな事でもしてあげたいと思う。

だって、東さんは、私を頼りにしてくれるから。

「これが終わったら、東さんの仕事しよう」

私も仕事に取り掛かる。

…その間、三枝課長が私を見ていた事など知らない。