それ以来、彼女達は、私をイジメることはなくなった。


それは全て、彼のおかげ。

学校で時々見かけたが、遠目にしか見ることは叶わなかった。

3月、彼は卒業した。

『アズマ …』

卒業式の日に、彼の名前を知った。下の名前は、どよめきの声に遮られ、知ることはできなかった。

だがその後、ただの一度も彼に会うことはなかった。


…それから、13年。私は26歳になった。

相変わらず、童顔で幼児体型の小柄な私は、目立たないように、ひっそりと暮らしていた。

総務課で、事務の仕事を淡々とこなす日々。

イジメは無くならなかった。

今日もまた、難癖つけて、いじめられる日々。

どうして私はイジメられるんだろう。