ケータイ小説 野いちご

初めての相手は無愛想上司




電話に出たが
すぐに耳から離してしまった


「桜庭さーんっ!!」


耳がキーン、とするくらいの
叫び声だ


『ど、どうしたの?』



そう聞くが、全く会話にならない
どうしたの?と聞くが
泣いているようで
叫んでいるのか、全く聞き取れない

何かがあった、と思った
だって、伊藤さんが私に電話をしてくることは初めてだ
よっぽどのことがない限り、かけてこない


『今、どこにいるの?』


かけつけなきゃ、と
スマホを耳に当てながら立ち上がる

寝室にかけてある制服をめがけて
動き出した時
後ろからスマホをを取られてしまった


「蔵田さん、出せ」


えっ?
なんで?蔵田課長?
っていうか、勝手にスマホを取らないでよ、抗議しようとしたら
後頭部に手を回され引き寄せられた


「小山?悪いな」

スマホから漏れて聞こえた蔵田課長の声
こんな時間に蔵田課長と伊藤さんが
一緒なのも驚きだが、それ以上にビックリだ

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