いいだけ笑い飛ばした陽子は
涙を拭きながら、私に問う


「どうするの?付き合うの?」


股間を蹴ってしまったことで
小山課長は膝を床につき崩れた
その隙を狙い
私は逃げた出した


資料課に戻ると、何事だと
蔵田課長も伊藤さんも驚いていた


そりゃそうだ
エレベーターを待ってられなくて
階段を走り降りてきたせいで
髪の毛はぐちゃぐちゃ
ぜいぜい、と息を切らしている



「…小山くんに、資料渡せた?」


恐る恐る聞いてくる蔵田課長
課長のせいで…と思いながら
近寄る課長を睨みつけた


『渡しました、あんな重たいのは二度と引き受けませんので』



そう言って、通常の業務に戻る
伊藤さんも驚きながらも
何も聞いてこない

いや、話しかけないでオーラを
自然に出していたんだと思う