ケータイ小説 野いちご

初めての相手は無愛想上司



向いた…と言うのは身体だけ
顔を上げられない


男の人と話すのが苦手
仕事だから話せるが、それ以外は話さない
今は仕事だけど
こんな至近距離で話す事なんてない
これは仕事なんだろうか?


『あ、あ、あの…何か小山課長に…し、し、しつ…失礼な事を…』


しましたか?と聞きたかったが
その言葉を言わせてくれない
私の顎をぐいっと持ち上げた小山課長


「していない」


見ないようにしていた
小山課長の顔は無表情
怒っている?普通?
どちらとも取れる表情だ



こんなに間近で男性を見たのは
いつ以来だろう…と言っても
男性と言うのは父だ


逃げたい衝動に駆られるが
顎に触れている小山課長の手を払えない



「桜庭、俺と付き合え」



耳鳴りがした
耳鼻科に行こう、そう思った

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