念のため、もう一度見に行くも、あの書類はなく、

「落ちちゃったのかなー?」


もしかして、あのときいた男のひとが拾ってくれてたりして…………


な、わけないか!


ため息をつきながら、橋の下の川をながめ、また新しくもらった誓約書を片手に、お母さんに何て言い訳するかを考えながら帰った。




それから、二年。




今もたまに、橋の真ん中に立って、あの男のひとがいないか探してみるけど



あれ以来、あの男の人とは会えていない。

「やっぱ、茜が言ってたみたいに、話しかければよかったかなー」


まあ、そもそもあの人が私の誓約書を拾ってくれてる確率の方が低いのにな。

「また、タバコ吸ってるのかなー。」

そう呟きながら、川を見ていた。





それから彼女が、彼と出会うのは、そう遠くない話。