「私、今日は帰るよ。また明日も来ていい?」

「もちろん。あ、結弦が体を壊さない程度でね」

結城姉弟はいちいち人を気遣う。優しすぎる。

「……ここにいた方が楽だから。
じゃあね」

「気をつけて」

家族の時間を邪魔する気なんてない。

椅子を美和子に譲り、帰路についた。