一世一代の演技だった。
めそめそと女のように泣き、
目を真っ赤にさせた。
親が死んでいることが始めから
分かっていても、親は親。
なんとも思わないわけがない。
ただ、悲しみはちっとも湧かなかった。
恐怖、ただそれだけが頭を苦しめた。
自分が罪を犯してしまった恐怖、
親に恨まれる恐怖、
キラが捕まってしまう恐怖。
もしも共犯者が、霧夜がいなかったら
恐怖に押し潰されていただろう。
*警察*
「零斗くん、こんなときに悪いけど、
ご両親がいなくなったときのことを詳しく教えてくれないかな?」
*零斗*
「…はい。」