「ここは妖が最も集まる場所で、親はここで退治していたんだ」



風で揺れる桜に視線を変えたユウ。



あたしも釣られるように桜を見上げた。



「おふくろが後ろから妖にやられて、近寄った親父が乗っ取られたおふくろにやられた」




こぼれ落ちる涙のように語り始めたユウ。



あたしは無言でユウの話に耳を傾けた。



「小さい頃の俺は親の後をついて行き、バレないように隠れて見ていた」




しゃがんでいる体型が疲れたのか、腰を下ろしたユウ。



あたしも同じように腰を下ろした。



「目の前で血を流してなだれ落ちるおふくろ、おふくろに刀で刺される親父。俺は目の前が信じられなかった」




大好きな両親の死を目の前で見てしまった小さな少年。