「でも、やりすぎだ」




ベチッと額から痛々しい音がした。




ユウはあたしから離れ、ジンさんと腕を組み歩き出す。




「お前、高林か何だか知らねぇが、俺んち来いよ。下僕にしてやる」





そして高林に指を指し、そう言った。




由美ちゃんの姿が見当たらなく、聞いてみると、弟と一緒に妖の処理をしているらしい。




そういえば、由美ちゃん姉弟って神様のような存在だもんね……。





(妖退治屋の勝利だっ!!)




マロの元気な声が城に響く。




そして、みんなはゾロゾロと出口に向かって歩き出した。




「まや帰っぞ」




ジンさんとユウが振り向き、あたしに言った。




「うん、今行く」




あたしもそう返し、歩き出そうとした。




しかし、あたしの体はバランスを崩し、地面へと倒れる。




ユウが一生懸命に何かを喋っているが、全く聞こえない。





そして、あたしの意識は途切れた。