「1年前……さ。
つか……それ以前から。
けっこう、俺、荒れてて。
かなりヤンチャとかしてたんだ」



テーブルをはさんだ向かいの席から、絢斗があたしの目をジッと見つめた。



「だから、あの日は、ほんの気まぐれで……。
つか、正直、本当のことを言うなら、ムカついて。
あの映画を観ることにした」



「…………」



「ポスターにもチラシにも。
もちろん、テレビに流れる宣伝にも。
いたるところに、この文字と言葉が躍ってた。
“今のおまえで、大丈夫。
きっと……。
夢は、叶うから”」



「…………」